研究課題/領域番号 |
20659355
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生涯発達看護学
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研究機関 | 神戸市看護大学 |
研究代表者 |
宮内 環 神戸市看護大, 看護学部, 講師 (60342226)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2009年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2008年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 発達障がい児 / 養育期家族 / 家族機能 / 家族看護 |
研究概要 |
1.関連する先行文献の検討結果:発達障がい児、家族、ADHD、PDD、LD、child、family、nursingをキーワードとして国内外の文献を検索した結果、215件であった。年次推移は、1997〜2000年が26件、2001〜2004年が55件、2005〜2008年が134件であり、国内外ともに近年の文献数の増加が著しく、発達障がい児と家族に対する関心の高さがうかがえた。報告内容は、疾患の成因(家族歴)や疫学、診断・治療などの生物学的研究と家族の心理社会的問題に関する文献が多かった。家族の心理社会的問題には「家族のストレス・QOL」「家族機能・家族関係」「家族の特性」「家族介入」があり、子どもの行動問題が親の育児ストレスや生活の質に影響し、家族関係の悪化など家族全体に大きな影響を及ぼすことが示唆されていた。しかし、子どもの障がいによる家族機能の変化や家族の構造、家族の発達を視野に入れた検討や支援に関する研究は稀少であった。2.発達障がいの子どもをもつ養育期家族の家族機能と影響要因に関する調査結果:自記式質問紙は配布数270に対して回収128(回収率47.4%)であった。家族機能尺度作成では探索的因子分析の結果、4因子解を最適解として採用し(累積寄与率53.67%)、第1因子を『夫婦関係(11項目)』、第2因子を『養育(6項目)』、第3因子を『社会資源活用(7項目)』、第4因子を『共同役割(4項目)』と命名した。家族機能に影響を及ぼす要因としては、父親の年齢、祖父母同居、診断、障がいの程度、療育施設への通園、養育が最も大変だった時期が挙げられた。3.家族に対するグループインタビュー結果:参加者は、いずれも5歳の発達障がい児をもっ33〜43歳の母親4人であった。インタビュー内容を質的に分析した結果、母親が経験している困難として【夫婦の溝】【役割の過重】【夫への切り替え】【夫婦関係の見直し】、影響要因として【母親仲間の支え】【夫に対する自己の振り返り】が見出された。今回の結果より、母親は夫婦関係や家族内役割に苦悩しており、夫婦関係への介入や同様の立場にある家族との交流を促進することが支援として必要であることが分かった。
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