研究課題/領域番号 |
20659361
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地域・老年看護学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
早川 和生 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70142594)
|
研究分担者 |
西原 玲子 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (10452434)
|
研究期間 (年度) |
2008 – 2009
|
研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
|
配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2009年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2008年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 双生児 / 乳幼児 / 言語獲得 / 言語発達遅滞予防 / 宇宙語 / 家族支援 / 育児環境 / 双子 / 家族ケア / 予防医 |
研究概要 |
双生児は単体時と比較すると乳幼児期に言語発達が遅れることが知られており、また宇宙語(Twin Language)と呼ばれる双生児ペア内でのみ通じる独自の言語は世界各国で報告され、双生児の約50%に出現するといわれている。本研究では、言語学的に学術上の貴重な現象である宇宙語現象の発生機序を解明することにより、双子出産家庭における言語発達の遅れを予防するための育児指導指針を確立し、これら家族のファミリーケアの向上に資することを目的としている。本研究では、かねてより協力を得ているツインマザースクラブの会員や双子の母親の互助組織の会員を対象に自宅訪問によるインタビュー調査し、また双子の親の協力を得て宇宙語現象発生時をビデオ・テープレコーダーにより記録し音声言語学的に分析を実施した。0~6歳の双生児家庭6組において、音の出ないおもちゃ(パズル、キャラクターを探す絵本、シール貼り絵本、スポンジ立体パズル)を使用し、(1)双生児とAと親、(2)双生児Bと親、(3)双生児A・Bと親という3場面をICレコーダー録音及びビテオ撮影を行った。1発話は話者交代および500msecのポーズにより定義し、平均発話長は自立語の平均発話長のみを計算した。音声の分析にはArcadia AcousticCore8を使用した。各家庭において、2者間(双生児AもくはB)での遊び場面と比較すると、3者間では母親の発話割合は約10%減少し、双生児それぞれの発話回数は半減した。また子が親の親が子の言葉を繰り返す回数も、2者間に対して3者間では減少する傾向が見られた。録音時に行ったアンケート調査結果では、1日のうち双生児が大人と1対1で会話する時間はほぼ無く、双生児同士か、親を交えての3者で過ごすことがほとんどであった。言語獲得期である乳幼児期において、母親からのinput情報が多ければ、その後の子の言語獲得や言語認知が早くなることが知られているが、双生児の場合は親のinputや言葉の繰り返しが量的に少ないことで、言語発達に影響を受けると考えられる。また子自身も発話できる回数が限られていることよりoutputの減少による言語発達への影響も示唆された。
|