研究課題
若手研究(S)
ヒトを含むほ乳類の精巣では、長期間多数の精子を生み出し続ける。これを支えるのは、効率の良い幹細胞システムであるが、その実体は未だ多く謎に包まれている。本研究は、精巣で働く精子形成幹細胞システムについて、未だ謎に包まれている以下の中心課題を、マウスを用いて明らかにすることを目的として開始された。1どのような細胞が幹細胞システムを構成しているか?(形態と遺伝子発現を機能に結びつける)2それらがどのように挙動してバランスのとれた自己複製・分化を実現しているのか?本研究は、科学研究費補助金の重複受給の規定に従い、平成21年1月をもって廃止することとなった。その間、以下のような研究成果を得た。すなわち、マウス精子形成幹細胞を含む少数の細胞集団である「未分化型精原細胞」は、長年の研究により詳細な形態的クライテリアにより分類され、その中の特定の細胞のみが真の幹細胞として機能すると推定するモデルが立てられ、広く受け入れられて来た。本研究では、形態的な違いとは別に、遺伝子発現の観点から未分化型精原細胞か不均一な二つの集団に分けられることを明らかにした。それに加え、これらの集団が精巣の周期的な機能変化に対応して異なる挙動をとることがわかった。以上の結果は、未分化型精原細胞が、精巣組織の中でどのようにして長期間維持されるとともに分化細胞を産み出し続けるのかという、幹細胞研究一般に広く重要な問題に対して、重要な示唆を与える成果である。
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Cold Spring Harbor Laboratory Symposia on Quantitative Biology Series, "Control and Regulation of Stem Cells" 72(印刷中)
40015720661
Nature Cell Biology (News and Views) (印刷中)
実験医学 (印刷中)
細胞工学 27
ページ: 659-664
蛋白質核酸酵素 53
ページ: 1125-1132