研究課題
若手研究(A)
本研究では、細胞培養条件が厳しい哺乳類から得られる細胞を用いるのではなく、変温動物である昆虫の筋細胞を用いることにより培養可能環境が緩和されることに着目し、外部環境に対してロバストで室温で動作可能で、自由自在に形を再構成できる、化学エネルギー駆動型の自己再生能力のある生命機械システムの創製を試みた。昆虫の筋細胞組織再構築法を確立するために、昆虫組織からの初代培養方法の最適化を行った結果、培養状態が向上した。また、筋細胞の力学刺激による制御の体系化を行うために、分離し培養された筋細胞について、細胞力学刺激装置により、さまざまなパターンの力学刺激を与える実験システムを構築しており、現在、このシステムを用いて、詳細なデータを取得している。さらに、近年再生医療分野で注目されている温度応答性培養表面を用いた昆虫細胞シートの回収方法に着手し、微細加工により作成したデバイスに昆虫組織から摘出した筋細胞を搭載し、生命機械システムに向けた設計を行っている段階である。試作したデバイスと細胞のアセンブリのためにマイクロマニピュレーションシステムと3次元観察システムの構築を行った。細胞のアセンブリのためにマイクロマニピュレーションシステムを用いることで、複雑なハンドリング作業を行うことが可能になった。また、3次元観察システムと共焦点顕微鏡を組み合わせることで、より複雑なバイオアクチュエータの挙動の観察及び解析が可能になった。成果として、試作した生命機械システムの例が日本科学未来館において常設展示されている。
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Lab Chip 9
日本ロボット学会誌 Vol.26_No.6
日本ロポット学会論文誌 Vol.26_No.6
Journal of Biotechnology 133
http://www.tuat.ac.jp/~biomems/index.html
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