研究課題
若手研究(A)
肝疾患の重症化予防に資するエビデンスを得るために12078人の地域住民コーホートの資料および試料を分析した。その結果、(1)地域住民のウイルス性、非アルコール性、アルコール性肝障害の有病率は4. 0%、15. 5%、7. 8%で、ウイルス肝炎群は年齢、AST、ALTが高いこと、アルコール性肝障害の割合は男性で高く、アルコール摂取量、GGT、喫煙率が高いこと、非アルコール性肝障害の割合は女性で有意に高く、腹囲、体重、体脂肪率、BMI、総コレステロール、高感度CRPが有意に高いこと、(2)多量飲酒者、HCVキャリア、血清フェリチン高値の群でコーヒー飲用が肝機能障害に抑制的に働くことを見出した。また、(3)非ウイルス性の肝疾患では肥満の程度とは独立してアディポネクチン濃度が肝機能と負の関連を示すこと、(4)女性において酸化ストレスマーカーとAST、ALT、GGTと有意な正の関連があることを見出した。遺伝子多型と肝障害との関連については現在までに有意な関連を得られなかった。
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