研究課題
若手研究(A)
協働性をもたらすために有効な看護師の介入技術として有効と思われる看護師の面接技術集としてConcordance Skillがある。これは、英国のGray博士らが開発した精神疾患患者のための動機づけ面接を主体とした地域精神科看護師向けの面接技術集であり、マニュアルの翻訳や日本での実施例の蓄積によって日本でも使用可能にした。我が国の精神訪問看護で活用可能にするためには、コンコーダンス・スキルを習得し看護師が効果的に活用できるようになる必要があるため、研修プログラムを作成して研修後の看護師たちの変化と患者に生じる変化を測定する方法を検討した。研修プログラムは、コンコーダンスの概念と基本的な面接技術の演習を行う短期間(12時間)のプログラムで、法人や地域の異なる2地域4医療機関を対象に12時間の研修プログラムを実施した。研修プログラムの評価には、Level 1:満足度評価Level 2:能力向上の自己評価Level 3:能力向上の他者評価Level 4:成果評価とし、当該年度では、研修実施直後に調査可能であるLevel 1:満足度評価を実施終了した。満足度を評価する指標にはCSQ (Client Satisfaction Questionaire)8項目版を用いた。満足度の平均点は26.5点(32点満点)であり、同種の他の研修に比べて高い満足度を示した。今後、Level 2以降の評価が得られたのちに研究成果を発表する予定である。また、専門看護師を含む精神看護領域の訪問看護師に対するヒアリング調査を実施し、協働型訪問看護を実践する事に対する障壁として「対立場面で協働を表明することへの恐れ」「患者指導の必要性がある場面での迷い」「自己責任の範囲の不明瞭さ」があることが判明した。また、地域で暮らす精神疾患患者の意思決定に関する困難場面を抽出した。
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看護研究 42
ページ: 315-320
精神科看護 36
ページ: 19-26