研究概要 |
大規模分散システムの一例であるP2Pファイル共有システムを対象に,個々のユーザの利己的な振る舞いとシステム全体の性能との関係を調査した.ユーザの利己的な振る舞いをゲーム理論の枠組みでモデル化し,ユーザ間の駆け引きがシステム全体としての性能に与える影響を進化ゲーム理論を用いて数学的解析とシミュレーション評価の両面から考察した.その結果,周囲からファイルが消失しそうな場合に限りファイルを共有するという合理性の下では,ユーザの利己的な度合いによらずファイル消失に対してロバストなシステムの実現が可能であることがわかった.
|