研究課題/領域番号 |
20700351
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
|
研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
中村 行宏 同志社大学, 研究開発推進機構, 研究員 (40460696)
|
研究期間 (年度) |
2008 – 2009
|
研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
|
配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2009年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2008年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | ニューロン / シナプス / 神経回路 |
研究概要 |
シナプス前末端におけるカルシウム(Ca)ドメインは、シナプス伝達の速度や信頼性を決定する重要な因子である。脳幹聴覚伝導路上の巨大シナプスcalyx of Heldでは、生後発達に伴ってCaドメインがマイクロドメインからナノドメインに移行することが示唆されていたが、その変化のメカニズムは不明であった。本研究では、Ca感受性色素をcalyxへ注入し、共焦点スポット観察(点スキャン)にてシナプス前末端内の局所Caを観察することにより、シナプス前末端Caドメインの可視化を試みた。活動電位によって誘発されるCaの一過性上昇は、聴覚獲得前生後7日齢(P7) calyxではシナプス側の膜状の随所で観察されたが、聴覚獲得後P14ではその空間分布は疎らになり振幅も減少した。シナプス前末端の電位固定実験により、この局所Caの減少は、活動電位幅の短縮とCaチャネル密度の減少に因ることが明らかとなった。P7 calyxにCaチャネル阻害薬を適用し機能的なCaチャネル数を減少させた状態でEGTAをシナプス前末端に注入したところ、EGTAのEPSC抑制作用は減少した。P14 calyxにKチャネル阻害薬を適用し活動電位幅を延長させた状態でEGTAを注入したところ、EGTAのEPSC抑制作用が復活した。Caドメインのサイズは、Caチャネルの密度と活動電位の幅によって制御され、これらの変化がCaドメインサイズの生後発達変化に貢献していることが明らかになった。
|