研究課題
若手研究(B)
農業のはじまりは人類史にとって、ひとつの大きな文化的転期であった。本研究はどのように農業(農耕)が開始され、発展されていったのかを明らかにする目的で、世界最古の農耕発祥地とされる西アジアを舞台に、ムギ類の栽培化の過程を明らかにしようとしたものである。本研究ではムギ類の栽培化の指標を、脱穀時に刻まれる傷痕の詳細な観察から確立した。ムギ類は最古の栽培植物であり、農耕起源論ではその栽培化について必ず論じられるところである。しかし考古遺跡から出土したムギ類において、その栽培型・野生型を同定する指標というものがこれまでなかった。本研究により、西アジアの考古遺跡から出土したムギ穂軸を、合計9遺跡約2万点以上というこれまでにない規模で調査し、かつ現生種における脱穀試験からも傷痕の比較調査を行った。その結果、栽培型・野生型および同定不能傷痕の詳細なタイプ区分を行うことができ、初期農耕遺跡から出土するアインコルンコムギ・エンマーコムギ・オオムギにおいて栽培型・野生型を同定する指標を作成した。
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