研究概要 |
中央アジアの天山山脈において,1970年以降の氷河の面積変化と氷河湖発達の現状を衛星データと現地調査から評価した.天山山脈の山岳氷河は,過去40年間で縮小傾向であり,その縮小の程度は地域的な偏りが大きい.もっとも縮小が著しい地域は降水量が多く,山脈高度も低い天山山脈外縁部のプスケム地域であった.氷河湖も同様に,天山山脈外縁部で発達が著しく,最近見られる氷河湖のほとんどは1980年代以降に出現したものであった.天山山脈北部地域の氷河湖は,氷河湖決壊洪水が多発した1970年代と同数にまで達しつつある.
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