研究概要 |
自立膜は、センサーや表示デバイスなどの基本的な構造要素である。特に、ナノメートル厚みの自立膜は、金属や半導体のナノ物性の解明、あるいはMEMSなどの先端デバイスの実現のために盛んに研究されるようになってきた。最近、我々は見出した乾燥泡膜(Dried Foam Films)形成方法に基づいて、ナノメートル厚みの極薄い無機自立膜の鮪単な製造プロセスを開発することに成功した(Jin. J. et al., Nature Mater. 2007, 6, 686-691)。この研究に、我々は上述の無機自立膜の物理性質について、特に、機械的な性質の解明を目指して探索する。我々は、原子間力顕微鏡(AFM)技術を利用し、得られた力-曲線を解析することにより、膜の機械性質を探索するための有力な手段であることがわかった。 本年度内、最初、AFMを利用し、乾燥泡膜の機械性質を測定した。この結果より、乾燥泡膜はヤング率が10-30MPaの範囲である。この乾燥泡膜は、バイオ膜機械強度の数千倍あたいを示し、高い機械強度を示唆することが明らかにした。次は、スパッタリングにより、乾燥泡膜の表面に異なる厚み(2-10ナノメートル)を有する白金薄膜を堆積させ、続いて、乾燥泡膜の除去に伴い自立白金薄膜を得た。前述の同じ方法を用い、この自立白金薄膜の機械強度の測定について、現在検討中である。
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