研究課題
若手研究(B)
中国雲南省に分布するチベット・ビルマ系言語であるチノ語には悠楽方言と補遠方言の2つの方言がある。代表者はこれまで悠楽方言の基本文法の研究を進めてきたが、語彙データ・文法データの不明な点が多くあり、また補遠方言については調査がほとんどなされていない状況であった。この状況に鑑み、チノ語悠楽方言の補充調査、ならびに補遠方言の現地調査をのべ4回行った。悠楽方言については、動詞連続構造、節連結の問題、格体系の詳細、およびコピュラ文の構造など文法の諸側面の解明に加え、チノ語悠楽方言の歴史的発展についての現段階の知見を整理することができた。また補遠方言についてはまだ初歩的であるが、語彙データを総計2300語程度、基礎文例550例を収集できたことから、音韻体系の分析と声調の発展について初期報告をすることができた。加えて2008年度末にはタイ北部・ラオス北部の踏査を行い、現地チベット・ビルマ系、タイ・カダイ系、ミャオ・ヤオ系諸民族の状況を視察し、同時に資料収集を行った。2010年度にはチノ語の周辺に分布するハニ語ゲランホ方言、ラフ語モンハイ方言の調査を行うことができ、前者は基礎語彙を約1800語、後者は500語を収集できた。具体的な検討はこれからに委ねられるが、今後の地域言語学的問題の解明の基盤を作ることができたのは大きいと考えられる。
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