本研究では、主として、非対称的な国の間での2国間のFTAの形成が世界全体の自由貿易の実現に寄与するのかを検討し、企業の技術水準が所与の場合、FTA交渉を行う2国間の市場規模が大きく異ならなければ2国間のFTAは形成されるが、overlapping FTAsの形成を通じて世界全体の自由貿易が実現するのは、当初のFTAが市場規模が相対的に大きい国の間で結ばれた場合のみであるとの主たる結論を得た。この結果は、当初は先進国同士でFTAが形成され、その後、先進国と途上国の間でFTAが結ばれる場合には世界全体の自由貿易が実現することを示唆している。
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