研究概要 |
地域の育児支援の枠組みで実施できる自閉症スペクトラム障害が疑われる子どもと親への早期介入プログラムの開発を行った.本研究は,知多市子育て支援センターと連携して実施し,育児支援の位置づけの中で可能な支援モデルの構築をおこなった. 2歳台の子どもと親を対象とした教室プログラムの効果を検討した結果, 2クール継続して参加することで,(1)親の心理的プロセスは4段階を経て変化すること,(2)親の抑うつをやや低減させ,育児ストレスとくに母親の有能さのストレスを低減させること,(3)新版K式発達検査の結果,全領域および言語社会領域の発達指数が上昇し短期的な効果が認められること,(4)集団生活で必要とされる行動やスキルを獲得でき,母親も子どもに対する具体的な関わり方を身につけていること,(5)多くが保育園・幼稚園に就園し,年少で4割,年中でも6割の子どもたちが支援の二-ドが低い状態であることが明らかになった.地域の育児支援の枠組みでおこなう教室のプログラムは,ニーズのある親子に支援の場を提供し,また効果が認められることが実証された.
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