研究概要 |
源家族からの巣立ちの時期とされる青年後期や成人初期において,両親の結婚生活の文脈は子どもの発達にどのような意味を有するのであろうか。とくにわが国では,永続性の観念にもとづき,不和状態でありながらも結婚生活を続けている夫婦は相当数いることが推測される。本研究では,アイデンティティ発達に焦点を当て,両親間不和による発達的影響を実証的に検討した。両親がいる若年成人子および彼らの親世代の人々を対象とする調査研究を通して,両親間の不和がアイデンティティおよび家庭役割(配偶者役割・親役割)の獲得において否定的に作用する可能性があることが示唆された。
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