研究概要 |
本研究では,統合失調症患者の認知機能・社会機能・パーソナリティ(気質・性格)の関連について,相関解析・多変量解析を用いて検討した.その結果,1)認知機能が悪いほど,社会機能が悪いことが一貫して示された.また,階層的重回帰分析により,2)認知機能と気質・性格を組合せたほうが,認知機能単独よりも社会機能の予測力が強いことが分かった.パス解析により,認知機能・社会機能・パーソナリティの関連を包括的に分析したところ,3)性格のうち自己志向性が高いと,全般的な社会機能が良いこと,4)気質のうち新奇性追求が強いと,認知機能障害が強くなり,陽性症状が重症になることが分かった.
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