配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2010年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2009年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2008年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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研究概要 |
平成22年度は,平成21年度に試作したストレッサーの肯定的側面を捉え直すストレスマネジメント教育研修プログラムを,平成21年度に実施したパイロットスタディの結果を参考にしながら修正した。具体的には,特に職場のストレス要因として多く取り上げられている対人ストレッサーに対する肯定的側面を認知することに注目し,感謝訓練に関する最近の先行研究を参考に,他者に感謝したことを振り返るホームワークを導入した。労働者を介入群と統制群とに分割し,介入群にはこのホームワークを含めたストレスマネジメント教育研修プログラムを実施した。ただし,平成22年度に介入研究を実施した事業所の事情により,無作為に2群を設定することは困難であったため,やむをえず研究デザインを比較対照試験に変更した。ストレッサー,コーピング,心理的ストレス反応などを測定する自記式質問紙を介入実施前,介入実施直後,介入終了後一定期間経過後の3時点で実施した。分析の結果,介入実施直後ないし介入終了後一定時間経過後の時点において,統制群よりも介入群の対人ストレッサーが低いこと,精神的健康に悪影響を及ぼす可能性の高いコーピングがあまり行われていないこと,他者に感謝することが多いことなどが明らかになった。最終年度の介入研究において無作為化比較対照試験の手続きをとることができなかったことは本研究の限界ではあるものの,ストレッサーの肯定的側面を捉え直すという職場におけるストレスマネジメント教育研修プログラムを新たに作成し,比較対照試験で一定の効果があることを明らかにすることができた点は,本研究の強みであるといえる。
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