研究概要 |
本研究では大きく,食行動異常傾向を測定する尺度(Abnormal Eating Behavior Scale: AEBS)の開発,食行動異常および摂食障害の発現.維持にかかわる心理的メカニズムを解明することを目的とした。調査対象者は,大学生および専門学校生,摂食障害臨床群であった。前者の目的に関する検討を行った結果,3因子19項目から成る6件法のAEBSが開発され,カットオフポイントが設定された。後者では,食行動異常,身体像不満足感,自己意識に関する調査を行った。検討の結果,公的自己意識と身体に関する他者評価への否定的感情,ダイエット行動との関連性が示された。また,特に,身体に関する他者評価への否定的感情とあわせて公的自己意識が高い場合,binge eatingに類似した心理.行動的特徴が出現する可能性が示唆された。加えて,"身体像不満足感の円環性"と"食行動異常の連続性"から成る心理モデルを策定した。
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