研究概要 |
本研究は,いじめ,不登校,友人関係などさまざまな問題に直面する中学生に対してコミュニケーション・スキル訓練を行い,対人コミュニケーションの観点から,問題が起こらないようにする予防策,起こってしまった場合の解決策を身につけさせようとするものである。本研究の目的は,中学生を対象とするコミュニケーション・スキル訓練のプログラムを開発し,そのプログラムを実際に中学生に実践し,問題予防行動,問題解決行動に役立てることである。従来,社会心理学の分野では「社会的スキル」の研究の中で対人間のコミュニケーションを円滑にするためのプログラムが開発されてきた。しかし,現在では,より広い範囲のコミュニケーション・スキルを研究することの必要性が指摘されている。また,現実の学校現場では,友人とうまくコミュニケーションの取れない生徒,先生とうまく話すことのできない生徒が増加している。このような理由から,中学生を対象としてコミュニケーション・スキル訓練を開発し,それを実践していくことが急務である。この訓練プログラムが開発され実施されることにより,学校現場における対人関係の問題に対する心理学的介入が可能となり,中学生の心身の成長に役立つと考えられる。
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