研究課題/領域番号 |
20730511
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 長野県看護大学 |
研究代表者 |
小林 玲子 長野県看護大学, 看護学部, 助手 (00468232)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2010年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2009年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2008年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 芸能科音楽 / 聞き取り調査 / 音楽教育史 / 国民学校 / 長野県師範学校 |
研究概要 |
1941年の国民学校令によって、従来の唱歌教育であった「唱歌科」は「芸能科音楽」となり、合唱、器楽、鑑賞、音感教育という新しい領域が加えられた。この学習領域の拡大に伴って、長野県師範学校では教生(師範学校生徒)の音楽技術力の向上が課題とされた。教生指導のために編述された『国民学校教科の実践的研究』は、1941年10月に国民学校教科の研究書として発行された。この書物は、長野県師範学校で1939年から師範学校全教員によって行われた教科研究会の成果であった。当時の長野県師範学校附属小学校生徒への聞き取り調査から、国民学校令公布前の長野県師範学校附属小学校において、単音唱歌以外にも輪唱やレコード鑑賞、器楽などの様々な音楽活動が和田五郎訓導によって行われていたことが分かった。国民学校令施行の初年度である1941年の長野県師範学校附属国民学校における第一期教育実習では、長野県師範学校の音楽教科担当であった和田訓導による音楽の示範授業が最初に行われ、「批評会」と呼ばれた教生研究授業で多くの時間が音楽にあてられたことが長野県師範学校附属国民学校「学校日誌」に残されている。さらに、「学校日誌」と国民学校生徒への聞き取り調査から、長野県師範学校附属国民学校では国民科と並んで音楽が重要視されたことと、国民学校行事における儀式用唱歌が周到に指導されたことが分かった。国民学校令施行規則第十三条には、「芸能科ハ国民ニ須要ナル芸術技能ヲ修練セシメ情操ヲ醇化シ国民生活ノ充実二資セシムルヲ以テ要旨トス」と示されている。研究調査の結果、音感教育に代表される音楽能力向上のための訓練と、国民的情操の醇化が教育目的とされた芸能科音楽の特徴の一端が明らかになった。
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