研究概要 |
曲面の境界は曲線である.逆に曲線は曲面の境界として実現できるだろうか.本研究は,この問いを,曲線や曲面の概念を高次元に一般化した多様体を対象として,特に3次元の多様体がどのような4次元多様体の境界として実現できるかを考察する.一般に,多様体に対し,その形をある程度まで代数的に捉えたホモロジー環とよばれる不変量を対応させることができる.そこで,古田-亀谷の不等式と呼ばれる,4次元多様体(軌道体)に対する不等式を応用することにより,3次元多様体のホモロジー環が,4次元多様体のそれとどのような関係にあるかを調べるため,松本幸夫氏によって導入されたBounding genusの一般化として,3次元多様体の間のある種の距離に当たる概念であるΦ-Bounding genusを構成し,その性質を調べた.
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