研究課題/領域番号 |
20740156
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
野秋 淳一 高エネ加速器研, 素粒子原子核研究所, 研究員 (90392068)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2009年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2008年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | QCD / 数値シミュレーション / カイラル対称性 / 自発的対称性の破れ |
研究概要 |
今年度の主な研究はごく簡単に言って、新たに生成されたゲージ配位上で中間子スペクトラムをはじめとした素粒子標準理論の性質を詳細に調べたことである。私の所属する研究グループは業界最大級の大型計算機とアルゴリズムの改良をもってこのゲージ配位を生成した。格子上で厳密にカイラル対称性をもち、かつ現実世界と等しい動的クォークの寄与を含む。得られたデータはこれまでの格子計算とは一線を画す精度を持つ。 このデータを解析することで素粒子標準理論の一部であるQCDの性質をさらに深い段階で明らかにし、かつ新しい解析手法を打ち立てることが、今年度に計画されていた最重要課題であった。これらを達成しつつ、さらに別の物理量を計算し、それらの結果を論文にまとめて出版した。さて、最重要課題として掲げたQCDの性質の探求であるが、これは奇しくも今年度のノーベル賞に輝いた南部の理論を検証することに他ならない。南部の自発的対称性の破れにする理論を忠実に模した模型(カイラル有効理論)は中間子の振る舞いを予言するが、これを第一原理的にQCDから再現することがひとつの到達点であった。我々の研究は中間子の質量や崩壊定数といった基礎的物理量について、QCDとカイラル有効理論との整合性をあいまい性を廃して調べた初めての取り組みと言える。結果として、1.カイラル有効理論の一時補正が収束するのは中間子質量にしておよそ450MeV程度までであり、K中間子(500MeV程度の質量)をその枠内で扱うことは不可能である。2.二次補正までを取り入れると、収束範囲は広がり、典型的な格子計算の質量スケールが矛盾なく記述でき、南部理論が再現される。3.解析において、カイラル有効理論における展開パラメータに従来とは異なる選択をすると、はるかに見通しが良い。という3点が明らかになった。以上はすべてフレーバー数2の場合に得られた結果であるが、これをフレーバー数2+1の場合に拡張した場合からも同様の結果を得る。
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