研究課題
若手研究(B)
マントルを構成する主要岩石の構成成分を酸化物の割合で表し、ギブス自由エネルギー最少化法によって決められたマントル鉱物の相平衡図(相転移パラメータも含む)をマントル対流の数値シミュレーションモデルに組み込んだ. このようなモデノレシミュレーションを行うことによって、対流構造から期待される地震波速度構造(弾性パラメータ)を直接求めることができた. この結果と従来マントル対流シミュレーションによって計算されている地震波動場の摂動成分の偏微分パラメータのセンシティビティだけを計算した地震波速度構造と比較した結果、空間分布には顕著な違いがなかったが、木均質構造の振幅は大きく異なっていた. これは、全球にわたる地震波トモグラフィーにおいて、強い不均質構造を持っている表面やコアーマントル境界付近の構造を理解する上で重要な意味を持っている. しかし、現在使用している熱力学データベースは完全なものではなく、このテータベースの改良を行う必要があることがわかっている. また、この成果は国際誌に論文として受理され印刷中である. さらに各主要構成鉱物が持っている流動特性をモデルに取り入れるために'相転移'依存粘性を取り入れたマントル対流数値シミュレーションモデルの開発に成功した. このモデルについては、現在テスト計算中であり、上部下部マントル間の粘性構造の違いを自然発生的に作り、その構造がマントルダイナミクスに与える影響について調べている.
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)
Geochemistry, Geophysics, Geosystems