研究概要 |
大気化学反応と深い関わりがある空気/硫酸水溶液界面構造を分子シミュレーションを用いて解析した.本研究の結果によると,低濃度(モル分率0.02程度)の硫酸水溶液表面には解離イオンによる比較的強い電気二重層構造が形成され,表面第一層にカチオン,表面数層の深さにアニオンが分布していることが明らかになった.一方,大気反応で重要な高濃度硫酸(モル分率0.3程度)では,低濃度の場合と同様に硫酸分子の第一段階解離はほぼ完全解離しているが,電気二重層構造は消失していくことが明らかとなった.これらの成果は,大気反応モデルの構築に有益な情報を与える.
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