研究概要 |
本研究では,ラマンスペクトルの変化を高感度・高速かつ高空間分解能で検知できる,まったく新しい分子イメージングシステムを構築し,生細胞内における細胞機能発現のダイナミクスを分子レベルで可視化することを目指して研究を行った.脂肪細胞や出芽酵母などを試料として用い,コヒーレント・アンチストークス・ラマン散乱(coherent anti-Stokes Raman scattering : CARS)に基づく分子イメージングを行った.特に出芽酵母については、マルチカラーイメージ一枚につき12秒の高速測定で動態追跡を行うことができ,その結果,ミトコンドリアの代謝活性をプローブするラマンバンドの消失と,液胞内に生じるdancing bodyと呼ばれる顆粒の出現に明らかな相関があることがわかった.CARSの持つ"ラベルフリー・マルチカラー・高速イメージング"という特徴を活かすことで,生細胞のダイナミクスをin vivo追跡することに成功した.
|