研究課題/領域番号 |
20760030
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野村 政宏 東京大学, ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構, 特任助教 (10466857)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2009年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2008年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | フォトニック結晶 / 単一量子ドット / レーザ / ナノ共振器 |
研究概要 |
本研究は高品質なエアブリッジ型二次元フォトニック結晶ナノ共振器を用いて世界に先駆けて単一半導体量子ドットレーザを実現することを目的として行われた。 実施期間中に、目的通り世界で初めて単一半導体量子ドットレーザを実現した。量子ドットは人工原子ともよばれるため、本レーザは単一人工原子レーザとも呼ぶことができる。単一量子ドット中の励起子とナノ共振器中の光子が1つの量子レベルで強く相互作用すると、真空ラビ分裂というスペクトル上での分裂が観測される。このような単一量子ドットとナノ共振器の強い結合が保証された系において、レーザ発振を実現した報告はなく、本研究が固体系で初めてである。さらに、発振閾値において真空ラビ分裂が維持されており、可逆過程と不可逆過程が同居するという物理的に極めて興味深い状態を実現した。 本成果は、たった一つの量子ドットを利得とし、光の回折限界程度の極めて小さいサイズの共振器を用いたことで、物理的に極限微小な半導体レーザを実現したため、半導体分野でのマイルストーン的意義を持つ。この重要性から、インパクトファクターの極めて高いNaturePhysics誌に掲載され、日本経済新聞などを通じて新聞報道も行われた。また、固体系において初めて量子1つレベルでの光-物質相互作用をする状態からレーザ発振に至る系を実現したことで、今後の固体共振器量子電気力学分野における実験の先鞭をつけたという意味で学術分野において重要な成果とも言える。
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