研究概要 |
モータなどに用いられる鉄心において,構造上必要となるボルト締めやバンド締めに伴う電磁鋼板の厚さ方向に印加される圧縮応力が磁気特性の劣化に及ぼす影響を測定する装置を開発し,測定結果により調査を行った。その結果,電磁鋼板のグレードの差異よりも圧延方向と直角方向でその影響に大きな差異が見られた。圧延方向に励磁した場合は,厚さ方向に0.5MPa 程度の小さな圧縮応力が印加されると,ヒステリシス損が増加するのに対し,直角方向に励磁した場合は,ヒステリシス損にはほとんど変化が無く,一方,渦電流損は,圧延方向,直角方向に関係無く,厚さ方向の圧縮応力が増加するにつれて増加する結果が得られた。よって,直角方向に励磁される場所でバンドやボルトなどで積層鋼板を固定することで,低損失な機器設計が可能である。
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