| 研究概要 |
パワーエレクトロニクス回路において,パルス状の大電流を流す回路近傍で問題となる誘導ノイズはこれまであまり問題にならず,理論や解析による検討は十分に行われていなかった。また,ノイズを考慮した回路レイアウトは熟練技術者の経験に頼ることが多いと思われるため,回路設計におけるノイズマージンやノイズ影響を具体的に評価できる手法を検討する必要がある。本研究課題では降圧チョッパ回路を例にとり,パルス電流が流れることで,回路から放射される近傍磁界を実験により検証する。また,各素子のパラメータをTDRで測定することによりチョッパ回路の寄生キャパシタンス・インダクタンスを考慮した等価回路を示す。この等価回路によりパルス電流に対してどのような周波数の振動電流が生じるかを求める。主回路から放射される磁界の測定では主回路基板から100mmまでの距離における近傍磁界を近磁界プローブにより測定を行う。実際の誘導ノイズを求めるために,ループアンテナを用いて実験を行い,磁界強度,ループ面積,誘導ノイズの関係を明らかにする。以上の実験から振動電流・主回路と制御回路間の距離・制御回路のループ面積・誘導ノイズの関係を示し,定量的な誘導ノイズ評価を行った。
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