研究概要 |
本研究では、薄膜形態の有機半導体デバイスの電荷発生過程を明らかにすることを目的とした.有機薄膜デバイスの熱失活過程について測定する方法を確立するために,検出器としてマイクロホンを使用する場合と圧電センサーを使用する場合の両方面から検討した. マイクロホン法では透明ラバーとデバイス基板を利用して密閉セルを構成することで,薄膜デバイス駆動時の光音響信号と光電流を同時に測定できることを実証した.光照射時における電圧印加時の光電流特性と光音響特性は一致することから光電流により発生する熱成分が観測できていることが分かった.一方,トランスデューサー法では入射光として短パルスYAGレーザー(532nm)を使用し,試料基板に高感度圧電センサーを取り付けることで有機薄膜の膜厚変化に伴った弾性波の変化を観測することができた,本件で使用した素子の感度が低いため,バイアス印加時における弾性波信号の変化は得られなかったが,数十ナノメートル程度の膜厚変化に伴う信号変化を観測できることがわかった,
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