研究概要 |
生体などから得た低周波の信号を,携行可能なシステムで処理し,無線送信するための集積回路設計を目的とし,電源電圧1V未満で動作するように設計している.まず,センサ出力の雑音除去ならびに帯域制限や送受信用のフィルタは0.6Vで動作可能であるとの結論を得ている.0.18μmプロセスによる回路試作では,100kHz帯域,89dBのダイナミックレンジを達成した.次に,アナログ・ディジタル変換回路の設計に取り組み,逐次比較型,ΔΣ型,信号分割型の可能性とその改善を行っている.雑音の大きさや分布の理論解析と検証,それらの抑圧手法の提案をし,いずれの構成も1V程度で使用でき,さらなる低電圧化における問題の解決法も提案している.さらに,ディジタル回路で発生し,基板を伝播してアナログ回路に混入するディジタル基板雑音の低減にも取り組んでいる.適切なモデルと近似で理論解析し,有効な雑音低減手法として,検出領域と打ち消し領域の形状を提案している.
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