研究概要 |
隣接する模型都市および植生上において乱流観測を実施し,それぞれのキャノピー上での乱流統計量および3次元乱流構造を把握した.水田の一角にブロック群から構成される擬似的な都市キャノピーを作成し,都市模型および植生上に超音波風速計を配置して乱流データを取得した.上記の実験システムから得られた乱流データの解析から,キャノピー上に発達する乱流の特徴を検討したところ,以下のような知見が得られた.1)水田では都市モデルに比べて運動量輸送が大きく,キャノピー高さで無次元化した粗度を比べても水田の方が大きい.その理由として,水田のフロンタルエリアインデックスが大きいことが挙げられる.2)運動量輸送に対して四象限解析を行ったところ,都市モデルに比べて水田では乱れが効率的に運動量を輸送している.3)水田において運動量コスペクトルのピークは尖った形状をしており,ある周波数帯で効率的に運動量が輸送されている.4)そのピーク周波数は,稲穂の揺れによく対応している.
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