研究概要 |
近年,経済活動が発展し,ビジネストリップなどにおける定刻性の重要度が高まり,旅行時間信頼性に対する経済便益計測の必要性が高まっている.本研究は,選好意識調査から得られた行動データを,旅行者のスケジューリング行動を記述する統合モデルに適用して所要時間信頼性価値の推計を行うことを目的とする.調査対象は,普段の通勤に自動車を用いている20代から50代までの男女であり,サンプリングはインターネットを介したWEB調査の形態で行った.パネル効果や観測/非観測異質性を考慮した離散選択モデルを用いた推定結果は,信頼性価値と時間価値の比である信頼性比の平均値が2.40と言う結果であり,旅行時間信頼性の向上便益が所要時間短縮便益と比較しても無視できない大きさである可能性が実証的に示された.また,性別・年収・普段の通勤時間などの被験者特性によっても,旅行時間変動価値が有意に異なる可能性が示唆された.
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