研究概要 |
本研究は室内での存在可能性ならびに人体影響が懸念されている超微粒子・有機エアロゾルSOAに着目し,その生成・凝集プロセスを解明すると共に,居住者の暴露量を評価するために必要となる総合的な室内空気環境予測法の開発を行うものである.本年度(21年度)は若手研究(S)への移行に伴い,若手研究(B)が取り消しとなったため,当初研究計画の一部を実施した. (1) 帯電粒子を対象とした固体壁面沈着ならびに凝集プロセスに関する基礎実験 平成20年度で使用したダクト型実験模型を用い、負極性ならびに正極性に帯電する粒子やイオン化物質をダクト型実験模型のInlet位置より供給し、ダクト下流側に設置された複数のサンプリングロにて濃度減衰を測定した.帯電粒子の不均一粒子濃度において電界分布ならびに電界強度が大きく異なるため、粒子濃度依存性を確認した. (2) 電気泳動モデルの開発と再結合係数の推定 上記実験結果を基に、イオン化物質の周辺分子との衝突による自然減衰定数kd(Decay Constant)、正負イオンの再結合割合を示す再結合定数dr(Recombination Coefficient)等のモデル定数を推定した.またイオン化物質の壁面沈着モデル・電気泳動モデル・凝集モデルを検討すると共に、輸送方程式のSource Termとして組み込み可能な形式で整備した. 当初計画に含まれていた実大居室実験と数値予測精度の検証は,新規の若手研究(S)プロジェクトの一部として実施する予定である.
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