研究概要 |
AlとZrおよびAlとHfの同時電析により金属Ni上にZrまたはHfを含むNiアルミナイド層の形成を試み,この層で被覆されたNiの耐サイクル酸化性を調べた.得られた結果は以下のとおりである. (1) NaCl-KClに3.5mol%のAlF_3と0.05mol%のZrF4を添加した浴でAlとZrの同時電析を試みると,基板Ni側からNi_2Al_3,NiAl_3の順に構成される電析層が生成し,表面層のNiAl_3中にのみZrAl_3粒子が均一に生成していた.一方,NaCl-KClに3.5mol%のAlF_3と0.05mol%のHfF_4を添加した浴でAlとHfの同時電析を試みると,基板Ni側からNi_2Al_3,NiAl_3の順に構成される電析層が生成し,表面層のNiAl_3中にのみHfAl_3粒子が均一に生成していた (2) NaCl-KClに3.5mol%のAlF_3と0.05mol%のZrF_4を添加した溶融塩中で-1.5~-1.8VでZrとAlの同時電析を行った試料は,1423Kのサイクル酸化試験において,ほとんど質量変化を示さず,極めて高い耐サイクル酸化性を示した.さらに,NaCl-KClに3.5mol%のAlF_3と0.05mol%のHfF_4を添加した溶融塩中で-1.6~-1.8VでHfとAlの同時電析を行った試料においても,1423Kのサイクル酸化試験において,ほとんど質量変化を示さず,極めて高い耐サイクル酸化性を示した. (3) きわめて高い耐サイクル酸化性を示した,試料ではZrO_2およびHfO_2は楔状に下地金属に入り込んでおり,下地との密着性の高いスケール形態となった.
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