研究概要 |
本研究は,電圧印加型固体イオン交換法を利用してガラス中へ金属微粒子を分散させ,ガラスのレーザ加工特性を向上させることを目的としたものである.まず,AgとCuを導入元素とし,ホウケイ酸ガラスにそれぞれ単体で導入した場合の光学特性,レーザ加工特性を調査した.その結果,両元素添加ガラスには紫外域での光吸収率に差異が生じた.そこで,YAGレーザ第3,4高調波を用いて加工を行ったところ,Cu添加ガラスでは両波長において良好な加工痕が認められたのに対し,Ag添加ガラスでは,第4高調波では良好な加工が行われたものの,第3高調波ではほとんど加工が行われなかった.次にCuを添加した後,Agを導入する順次導入法を行い,ガラス内部に異なる二層の導入領域形成を試みた.しかし,深さ方向のEPMA分析の結果,導入領域の全体に亘って,CuとAgの混合層の形成が認められ,Ag,Cu単体の含有領域は形成されていないことが分かった.
|