研究概要 |
キャパシタとリチウムイオン(Li-ion)電池とを組み合わせた電気自動車用高速エコパワーサプライシステムを提案し,近未来におけるそれらのコストおよびCO2排出量を試算した。シミュレーションでは,経済産業省の研究会による提言を参考にして想定した将来のキャパシタおよびLi-ion電池のエネルギー密度,入出力密度,およびコストを主要パラメータとして,2010年現在から2030年までの電気自動車の年間コストを試算した。また,経済産業省の電気自動車普及予想に基づき,全国の自家用車が排出する2100年までの期間の1年あたりのライフサイクルCO2排出量(a-LCCO2)を試算した。今後の技術の進歩を想定したシミュレーションにより,2030年にはキャパシタおよびLi-ion電池のコストは2010年現在の10分の1,エネルギー密度は3倍,出力密度は1.4倍になるので,電気自動車の年間コストは224,000円/y,航続距離は250 kmとなることを予想した。さらに,電気自動車の普及が100%に達すると想定する2100年には,a-LCCO2は18Mt-C/yと2007年現在の47%まで低下することがわかった。
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