研究概要 |
コケ植物のセン類,タイ類,ツノゴケ類の様々な組織間で細胞分裂期の微小管系の形態を比較観察することで,生活環を通じた細胞分裂様式の変遷を明らかにした.主要な成果として,タイ類の中で,最も初期に分岐したと考えられているコマチゴケ目の塊状原糸体で,陸上植物に典型的な表層微小管系,分裂準備帯が形成されることを確認したことがあげられる.これは多くのセン類でみられる糸状原糸体では表層微小管系,分裂準備帯が存在しないことと対照的である.タイ類ゼニゴケ類については,研究結果を分子系統学的解析と照合することで,減数分裂様式の進化について議論した.
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