研究概要 |
野菜苗木接合部の水の動態と新たな形成層の発達過程との関係について研究を行った.その結果トマト台木とおよび穂木が未活着のときは茎の水移動はきわめて遅く,未活着部分が水移動に与える抵抗は大きいことが予測された.そこで,活着不良である接ぎ木不親和による水の動態の変化がトマトの光合成代謝産物に与える影響について検討した.穂木と台木の不親和を起こすトマトとナスの接ぎ木では,接ぎ木不親和の程度を示す穂木と台木の茎径差が大きくなることに伴い,通導抵抗も増加した.さらに茎径差は,トマト葉のBrix値と相関があり,接ぎ木不親和による通導抵抗で引き起こされる水ストレスでトマト葉の糖度が増加することが示唆された.
|