研究概要 |
本課題では,ダウン症(DS)の脳内神経伝達物質量が異常である可能性を,DSモデルTs1Cjeマウス脳の20種類の神経伝達物質量を測定することで検討した.その成果として,Ts1Cjeマウス脳でのドパミン・セロトニン代謝亢進とこれらの代謝亢進がドパミン遊離促進剤のメタンフェタミン投与により改善されること,また神経伝達物質の代謝酵素[Catechol O-methyl transferase(COMT)]がTs1Cjeマウスの脳で多いことを見いだした.これらの知見は,DSの病態解明と薬物治療において重要であり,またCOMTの新規治療標的分子としての可能性を示唆している.
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