血管の形態は組織やその領域によって大きく異なる。ゆえに、血管が関わる疾患の治療には、適切な形態の血管を用いることが必要である。ところが、血管の多様な形態がどのように生じるのか、その形成機構は未だ解明されておらず、目的の血管を自由に作製することは現在の技術では行うことができない。そこで、本研究は血管の様々な形態、特にサイズと分岐頻度に焦点を絞り、その制御機構を明らかにすることを目的とした。今回、我々はDown Syndrome Critical Region 1 (DSCR1)が血管の分岐頻度を調節し、太い血管と細い血管の形態の違いを調節していることを明らかにした。これによって、将来、分岐頻度や太さの異なる様々な形態の血管を自由に形成する、DSCR1による新しい血管新生治療の開発が可能となった。
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