研究課題/領域番号 |
20790200
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
神山 直也 旭川医科大学, 医学部, 助教 (20431398)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2010年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2009年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2008年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 抗がん剤 / 副作用 / 味覚障害 / 味覚 |
研究概要 |
この研究課題は、がん化学療法(抗がん剤治療)時に生じる味覚障害について、その発生機序を解明することを目的としている。味覚障害はがん化学療法施行中に広汎に生じる副作用である。これまでにその発生原因については様々な考察がなされているが、実際に抗がん剤が味覚障害を引き起こす機序を検証した例は極めて乏しく、臨床においてもその治療法が確立されていない。本研究では昨年より引き続き、動物実験によって抗がん剤投与時の味覚障害を評価する実験系の構築を試みた。引き続き2瓶選択法を用い、本年は実験に用いる味質をスクロースによる甘味、L-グルタミン酸ナトリウムによるうま味など、本来好ましく感じるものに変えて検討を行った。しかしながらこれらの味質に対するBALB/cマウスの選択性は個体差が大きく、オキサリプラチン投与後の嗜好の変化を見出すには至らなかった。2瓶を常時呈示する方法の場合、指標となるのは2日間の飲水量であるため、急性期の変化については捉えるのが困難であることから、1日1時間のみ給水を行うなど味質の呈示方法についても検討の余地があると思われる。一方、オキサリプラチン投与後のマウスでは、味覚障害の原因のひとつと考えられている血中亜鉛濃度の低下が認められた。今回の実験には所属施設で自家繁殖しており容易に入手可能なBALB/cマウスを用いたが、この系統は味覚に対する感度が低いnon-tasterマウスであった。オキサリプラチン投与による血中亜鉛濃度の低下と味覚障害との関連については、味覚に対する感受性の高いC57BL/6マウスなどのtasterマウスを用いることでさらに詳細な検討を行うことができるものと思われる。
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