研究課題/領域番号 |
20790209
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小野原 直哉 京大, 薬学研究科(研究院), 助教 (60452710)
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研究期間 (年度) |
2008
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2009年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2008年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | GPCR / FRET法 |
研究概要 |
本研究では、Gタンパク質共役型受容体(GPCR)の活性化をFRET法により可視化し、GPCRの局在変化や時空間的活性化機構を解明することを目的として、研究を遂行した。ロイコトリエンB4受容体(BLT1)のC末端に、CFP、YFPと呼ばれる蛍光タンパク質を、それぞれフレキシブルリンカーと共に融合させたFRETプローブを構築した。これらのプローブをHEK293細胞に発現させ、BLT1同士の二分子間FRETを検討したが、リガンド刺激による有意な変化は測定できなかった。また、受容体の細胞内第三ループ内に蛍光タンパク質を融合させたプローブや、BLT1と三量体Gタンパク質との二分子間FRETプローブを用いて同様の検討を行ったが、BLT1の活性化は測定できなかった。一方、HEK293細胞に発現させたBLT1-YFPの蛍光を数十μm^2の範囲で退色させ、退色した部分の蛍光を経時的に測定したところ、約1分程度でほぼ完全に蛍光が回復するという現象を見出した。さらに、405nmで励起すると蛍光強度が100倍増強する、PA-GFP(Photoactivatable-Green Fluorescent Protein)をBLT1のC末端に融合させたプローブを用いたところ、惹起されたBLT1-PA-GFPの蛍光が、形質膜上で拡散していくことが明らかになった。以上の結果は、BLT1が、定常状態で細胞膜上をダイナミックに移動している可能性を示唆する。これまでに、GPCRが定常状態において、形質膜上を数十μm^2単位で移動しているという報告はない。今後、BLT1の移動を制御する分子の同定や、他のGPCRについての検討が必要ではあるが、今回の結果が、GPCRの局在性に関する重要な知見となる可能性がある。
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