研究課題
若手研究(B)
インフルエンザウイルスの感染は、ヘマグルチニン[HA]がレセプターと結合して始まる。ヒトのウイルスは主にヒト型レセプターを認識し、鳥のウイルスは鳥型レセプターを認識する。このレセプター特異性の違いが宿主域を大きく左右する。1968年のヒト社会での出現以降、ヒトH3N2ウイルスのHA蛋白質表面の正電荷は、年々蓄積しており、レセプター認識が電荷に依存したものに変化していた。更に、ヒト分離H5N1ウイルスも塩基性アミノ酸への置換が多くの株でみられ、塩濃度に依存した結合力でヒト型レセプター結合を行っていた。つまり、H5N1ウイルスも季節性のH3N2ウイルスと似たヒトへの適応をする可能性が示唆された。更に、表面電荷シミュレーションとヒト型レセプター結合とに相関がみられたことからHAの表面電荷の解析もウイルスのヒトへの適応を研究する上で重要なアプローチであることが分かった。さらにヒト型レセプターを認識するH5N1ウイルスのヒトの正常気管支細胞での増殖性を調べたところ、HA蛋白質の182番目のアミノ酸などに変異が起こると顕著にヒトの気管支上皮細胞で増殖性が上がることが明らかになった。しかしながら、どのH5N1ウイルスにおいてもフェレットにおける効率的な伝播は確認されなかった。
すべて 2009 2008 その他
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)
Nature. 460(7258)
ページ: 1021-5
Virology. 390(1)
ページ: 13-21
Arch Virol. 154(4)
ページ: 677-81
J Virol. 83(9)
ページ: 4153-62
Nature 460
ページ: 1021-1025
Virology 390
Journal of virology 83
ページ: 4153-4162
Vaccine. 26(50)
ページ: 6398-404
J Virol. 82(21)
ページ: 10502-9
J Virol. 82(3)
ページ: 1605-9