研究課題/領域番号 |
20790359
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
斎藤 孔良 金沢医大, 医学部, 助教 (30460356)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2009年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2008年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | HTLV-1 / Bc1-3 / NF-κB / ATL / HAM |
研究概要 |
Bcl-3のHTLV-1関連疾患への関与について明らかにすることを最終目標に、本年度は主にHTLV-1感染T細胞株を用いてT細胞の癌化及びT細胞機能異常におけるBd-3の関与を検討した。「研究計画1 : Bcl-3の恒常的NF-KB活性化への関与の有無の検討」に関しては、shRNAによるBcl-3発現挿制によってHTLV-1感染T細胞株の増殖が顕著に抑制されることを明らかにした。HTL-1感染T細胞の増殖にはNF-KB経路の活性化が重要であることがすでに報告されていることから、Bd-3の高発現が恒常的なNF-kB経路の活性化に関与する可能性がある。「研究計画2 : HTLV-1感染及びTax蛋白発現T細胞におけるBcl-3蛋白の発現調節のメカニズムの検討」に関しては、HTLV-1感染細胞内におけるBcl-3蛋白の高発現がBcl-3遺伝子のTaxによる転写活性化によってのみならず、PI3K-Akt経路の活性化によるBcl-3蛋白の分解抑制機構によっても維持されていること、Tax蛋白発現によりBcl-3蛋白の分解抑制が増強されることを明らかにした。「研究計画3 : Bcl-3蛋白発現レベルの変化とT細胞機能異常との関連の検討」に関しては、Bc1-3蛋白発現がHTLV-1感染T細胞株の異常増殖に関与することを明らかにした。今年度は以上3つの研究実施計画以外にも、HTLV-1感染T細胞内においてBcl-3がTaxと蛋白一蛋白間結合していること、さらには、Bc1-3蛋白のN, C末端領域のみからなる、すなわちAnkyrin repeatを欠く変異体がTax蛋白と効率良く結合してTaxによるHTLV-1LrRプロモーターやマトリックスメタロプロテアーゼ9プロモーターの活性化をintactなBc1-3と同等レベルで抑制するのに対して、Bd-3蛋白のN, C末端領域を欠く、すなわちAnkyrin repeat領域のみからなる変異体はTaxによるHTLV-1プロモーターの活性化をほとんど抑制しないことも明らかにした。
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