研究課題/領域番号 |
20790380
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
保田 朋波流 理研, 研究員 (40334429)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2009年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2008年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 細胞 / 抗体 / Erk / 胚中心 / シグナル分子 / T細胞依存性抗原 / 抗体産生細胞 |
研究概要 |
Erk1およびErk2の抹消B細胞における役割を明らかにするため、抹消B細胞において特異的にCreを発現するCD21cre+: Erk1^<-/->:Erk2^<flox/flox>マウスを作製した。このマウスは生後20日以内に致死性であることが判明したため、胎児肝臓より血球前駆細胞を単離し、放射線照射したRag1^<-/->マウスに移植を行った。これらのマウスでは対照群となるマウスと比較し、全てのクラスの血中抗体価に著しい減少が認められた。次にT細胞依存性抗原であるNP-CGGで免疫後、ハプテン特異的抗体価および抗体産生細胞数を測定したところやはり著しい減少が見られたことから、B細胞が抗体産生細胞に分化するまでの過程においてErk1およびErk2の両分子が必須の役割を果たしていることが示唆された。またNP-CGGによる免疫後形成される胚中心B細胞の分化にErk1とErk2の両分子が必須の役割を果たしていることが明らかになった。次にErkが抗体産生細胞への分化に必須であることをより直接的に証明するために、Cγlcre+: Erk1^<-/->:Erk2^<flox/flox>マウスを作製し解析を行った。Cγlcre+: Erk1^<-/->:Erk2^<flox/flox>マウスをNP-CGGで免疫後、初期に形成される胚中心B細胞は対照群と比較して正常なレベルであるにも関わらず、血中のIgG1抗体価やIgG1抗体産生細胞数には著しい減少が見られたことから、Erk1とErk2が胚中心B細胞への分化のみならず、抗体産生細胞への分化においても必須の役割を果たしていることが判明した。以上の成果は、これまで不明であった抗体産生細胞や胚中心B細胞への分化誘導にErkが必須の役割を担っていることを世界で初めて明らかにし、今後効果的なワクチンの開発や免疫疾患治療法の開発に役立つことが期待される。
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