配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2010年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2009年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2008年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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研究概要 |
メタボリックシンドロームにおいて酸化ストレスはその病態の発症及び進展に深く関与している。そのため,新規抗酸化剤の開発研究が活発になされているが,抗酸化剤の適応を的確に有する薬剤はほとんどないのが現状である。加えて,新規抗酸化剤の処方追加は医療経済的に負担が大きいため,既存の薬剤の中から抗酸化作用を有する薬物を活用する,いわゆる育薬が実践的な対策として期待されている。 そこで,現在,メタボリックシンドローム改善薬として臨床使用されている降圧薬のプレイオトロピックエフェクトとしての抗酸化作用を解析し,抗酸化作用を加味したメタボリックシンドローム治療に対する新たな治療戦略を提案することを目的とし,in vivo及びin vitroの両面から評価した。その結果,オルメサルタンがin vivoにおいて抗酸化作用を有することを初めて明らかにした。また,抗酸化作用が降圧効果よりも腎保護効果に関与している可能性が強く示唆された。種々のin vitro実験より,オルメサルタンの抗酸化作用の機序として,自身の化学構造に基づくラジカルスカベンジャー様の直接的な機序と血管内皮におけるNADPHoxidaseの活性化ルートを抑制する間接的な機序の少なくとも二つの経路の存在する可能性が示唆された。従って,高血圧でない場合にも,メタボリックシンドロームの予備軍の段階からの早期投与が有効である可能性を示す有益な知見であり,このような育薬による治療戦略の構築が有用であることを実証でできたと考える。
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