研究課題/領域番号 |
20790536
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
武田 宏太郎 九州大学, 医学研究院, 客員助教 (50467908)
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研究協力者 |
市来 俊弘 九州大学, 医学研究院, 客員准教授 (80311843)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2009年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2008年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 分子血管病態学 / 低酸素シグナル / PHD / PHD阻害剤 / 炎症 / アンジオテンシン受容体 / HIF / 低酸素 |
研究概要 |
我が国において、動脈硬化を背景とする虚血性心疾患や脳梗塞などは主な成人の死因であり、その機序の解明や治療法の確立が急がれる。生体は低酸素状態に反応して血管新生や造血を誘導する低酸素応答系を有している。酸素センサーであるProlyl hydroxylase (PHD)2は酸素濃度を認識する分子で、低酸素誘導性転写因子Hypoxia inducible factor (HIF)を負に調節する。低酸素応答系は血管新生、炎症、造血など多面的な調節作用を有するため、これらを調節することで治療として用いることができないかが着目されている。本研究では、低酸素感知システムを修飾することで、心血管系の血管新生の誘導、炎症抑制、レニン・アンギオテンシン系の抑制など心血管保護的に作用する可能性について、遺伝子組み換えマウスや培養細胞を用いて検討した。血管内皮特異的、血管平滑筋特異的ないし心筋細胞特異的PHD2欠損マウスを作成し、血管新生が誘導されるかを、全身性PHD2欠損マウスと比較検討した。これらのマウスでは血管新生は誘導されなかった。一方、全身性PHD2欠損は心臓の血管新生を誘導した。よって、血管新生誘導には全身性因子の関与が示唆された。PHD阻害剤処置により、マクロファージの炎症反応が抑制され、血管平滑筋細胞のアンギオテンシンII1型受容体の発現が抑制された。これらの結果より、PHD2は血管新生、炎症、レニン・アンギオテンシン系に多面的な影響を与え、心血管保護的に作用する可能性が示唆された。
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