研究課題/領域番号 |
20790679
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
高松 尚文 宮崎大, 医学部, 研究員 (20468044)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2009年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2008年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 成人T細胞白血病(ATL) / HTLV-1 / IgSF4 / 抗体の診断応用 |
研究概要 |
抗IgSF4抗体を用いた末梢血リンパ球のFlow Cytometory(以下FCM)解析では、急性・慢性・リンパ腫・くすぶり型のATL患者54検体、HTLV-1キャリア48検体、健常者10検体の解析を行い、すべての型のATL患者で有意にIgSF4陽性細胞が高頻度であり、目視判定の末梢血中ATL細胞率とIgSF4陽性細胞率が相関する事を見出した。また、同抗体を用いてIgSF4陽性・陰性細胞をATL患者リンパ球から分離し、ゲノム中HTLV-1プロウィルス検出を行ったところ、IgSF4陽性分画でのみHTLV-1陽性でありIgSF4陽性細胞はHTLV-1感染細胞であることが明らかになった。また、HTLV-1キャリアのFCM解析において4/48でIgSF4陽性細胞率高値の検体を認め、抗IgSF4抗体がATL発症早期診断マーカーとなる可能性が示唆された。 血清可溶性IgSF4を用いた診断応用を目指したサンドイッチELISAの開発では、0.2-2μg/mlの可溶性IgSF4の検出が可能となった。同法による健常者・ATL患者血清を用いた検出特異性・検出量と病態の相関検証が望まれる。 治療への応用検討では、ADCC高活性3抗体をATL細胞株移植NOGマウス(免疫不全マウス)への投与実験を行った。結果、抗体投与群で卵巣・肝臓の腫瘍塊縮小を認めたが、生存期間の延長は認められなかった。この結果は生体内で我々の抗体は腫瘍細胞に結合し浸潤もしくは細胞凝集を阻害するが、エフェクター細胞のほとんどないNOGマウスでは効果が不十分であった可能性があった。そこで評価系を改良しNOGマウスへのヒトエフェクター細胞及びIgSF4陽性細胞の共移植系を確立した。しかし当該マウスを用いた抗体投与でも、生存延長は認められず抗体の改良、もしくはG-CSFなどのADCC効果を高める薬剤の併用による治療効果の有効性の検証が望まれる。
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