研究課題/領域番号 |
20790690
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
膠原病・アレルギー内科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
三苫 弘喜 九大, 大学病院 (60467909)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2009年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2008年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 膜型TNF / 細胞内輸送 / 内向きシグナル / SNARE / 細胞間移動 |
研究概要 |
1. 膜型TNFの細胞表面への表出機構の解析 : ヒトJurkat T細胞にTNF変換酵素によって切断を受けない変異型ヒトTNFを遺伝子導入し、膜型TNFを安定して発現するヒトT細胞株を作製した。マウスのマクロファージにおいてTNFの細胞表面への表出に必須ということが報告されているSNAREファミリー分子Vamp-3を膜型TNF発現細胞に遺伝子導入し、膜型TNFの発現レベルについて検討を行った。Vamp-3を導入するとマウスのマクロファージでみられたのとは対照的に、膜型TNFの発現量はむしろ減少した二我々のこれまでの研究では、活性化T細胞やNK細胞が最も多く膜型TNFを発現し、クローン病においては病態形成にこれら活性化T細胞が重要であると考えられる。このことからヒトT細胞における膜型TNFの発現機構は重要である。少なくともマウスとヒトあるいはマクロファージとT細胞でそのメカニズムが異なることが判明したため、ヒトSNAREファミリー分子を発現ベクターに網羅的に組み込んだ。2. 膜型TNFの細胞表面表出後の挙動 : 膜型TNF発現T細胞をその標的細胞であるマクロファージと共培養を行い、その動態を観察した。T細胞上の膜型TNFはマクロファージの細胞膜上へ速やかに細胞間移動した。その方向はドナー側と同じくN末端が細胞内、C末端が細胞外となっていた。TNF受容体は1型と2型があり、1型のみあるいは2型のみを発現した細胞株を作製し、膜型TNF発現細胞と共培養した。TNF受容体1型と2型いずれも膜型TNFの細胞間移動が認められ、その程度はほぼ同等であった。この現象は膜型TNF発現細胞を4%パラホルムアルデヒドで固定することにより抑制された。局所的な細胞膜癒合が細胞間移動のメカニズムと考えられる。炎症局所では活性化リンパ球が次々と細胞-細胞間会合によりリガンドを受け渡していくことにより、炎症が促進していくことが想定された。
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