研究課題/領域番号 |
20790713
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
感染症内科学
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
松村 隆之 国立感染症研究所, 免疫部, 研究員 (50434379)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2009年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2008年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 感染症防御学 / 自然免疫 / プロテオミクス |
研究概要 |
マクロファージにおけるToll-like receptor (TLR)シグナルはサイトカイン産生などの宿主感染応答に必須である。これまでマクロファージのLPS(TLR4リガンド)応答において、チロシンキナーゼがサイトカイン産生に関与することが数多く報告されてきたが、チロシンキナーゼを介したTLRシグナル伝達機構には不明な点が多い。そこで我々は最先端のプロテオミクス技術Stable isotope labeling by amino acids in cell culture(SILAC)を用いて、TLR4の下流で感染初期に誘導されるチロシンリン酸化シグナルを網羅的に解析し、リン酸化変動の定量化を行った。その中で、マクロファージのTLRシグナルにおいて機能未知なB-cell adaptor for phosphatidylinositol 3-kinase(BCAP)のチロシンリン酸化に着目した。BCAPにはBCAP_<-L>およびBCAP_<-S>の二種類のバリアントが存在するが、RNAiを用いたBCAP_<-L>の単独ノックダウンにより、様々なTLRリガンドで刺激したマクロファージにおける炎症性サイトカインIL-6および抗炎症性サイトカインIL-10の産生が増強されることが明らかとなった。さらにBCAP_<-L>はSyk-PI3K-PLCγ2経路を介した転写因子NF_<-κ>Bの持続的活性化を抑制する分子であることが示唆された。BCAP_<-L>は宿主に不利に働くような望ましくない持続性の刺激を妨げるためにTLRシグナルを厳密にコントロールしていると考えられる。本研究により、マクロファージにおいてIL-6およびIL-10の産生を負に制御する新規因子BCAP_<-L>が同定され、サイトカイン産生における新たな調節機構が明らかとなった。
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